お手入れの前に:同じ素材でも製品によって適切な方法は異なります。製品の取扱表示がこの記事の内容より優先します。判断に迷う場合は安全にお手入れするためにをご確認ください。

スプレー製品は必ず屋外またはよく換気した場所で使用してください。

ニット・メッシュ靴へ防水スプレーを使う前の判断図 スプレー側にニットまたはメッシュへの使用可否があるか、靴に防水膜があるか、目立たない場所で変化がないかを順に確かめる図 素材名だけでなく、スプレーの対象素材を読む 缶や説明書に「メッシュ」「ニット」「繊維」の使用可がある次へ進む。書かれていない・使用不可なら施工しない GORE-TEXなどの防水膜や、異素材パーツが混ざっている靴の取扱表示を優先する。素材が一つでも対象外なら見送る 目立たない小さな場所で、色・表面・べたつきに変化がない表示された距離と乾燥時間を守り、屋外で全体へ薄く噴霧する メッシュの穴を通る雨まで止めたいスプレーの役目を超える。防水仕様のシューズや雨用の履き替えを選ぶ

メッシュのスニーカーは、濡れたときに水がすぐ染みるので、防水スプレーをかけたくなります。けれど「メッシュに使える」と書かれたスプレーを選んでも、通気のための穴をふさいで雨を完全に止められるわけではありません。まず、靴を傷めずに撥水の補助として使える組み合わせかを見ます。

ミズノは、メッシュには細かな穴があるため、防水スプレーを使用しても十分な防水効果を期待できないと案内しています。[W01] 雨の中を長く歩く日に必要なのが靴の内側へ水を入れない性能なら、スプレーを重ねるより、GORE-TEXなど防水仕様のシューズを選ぶほうが役割に合います。ニットやメッシュの表面へ水滴や泥が付きにくくなるかを補うのが、ここでいうスプレーの位置です。

缶の「対象素材」に、メッシュかニットがあるかを見る

最初に見るのは靴のブランドではなく、防水スプレーの缶・説明書です。adidasの「プロテクター 200 ml」(製品コードJJ7206)は、プライムニットとメッシュを含む素材へ使えると案内しています。[W02] OAOの「WATER + STAIN REPELLENT SPRAY」も、ナイロン、キャンバス、メッシュへの使用を明記しています。[W03]

この二つは「メッシュ靴ならどのスプレーでもよい」という意味ではありません。ミズノは、スプレーの種類によってメッシュ素材を傷める場合があるとして、注意事項の確認を求めています。[W01] 缶にメッシュ、ニット、繊維のいずれも見当たらないなら、似た見た目のスニーカー用であっても、その製品では施工を見送ってください。

靴の甲がニット・メッシュでも、つま先の補強、ロゴ、かかと、人工皮革のパーツが混ざることがあります。ひとつのスプレーに全ての素材が含まれていなければ、靴の取扱表示を確認します。GORE-TEXのような防水透湿素材を使った靴も、表面の撥水が落ちたときにスプレーを検討できる場合はありますが、必須ではないとミズノは案内しています。[W01]

いきなり全体へかけず、小さな場所で変化を待つ

対象素材が合っていても、色や仕上げが変わらないとは限りません。ミズノは目立たない部分へ少量吹き付け、変化がないことを確かめてから全体へ使うよう案内しています。[W01] アサヒペンも、色落ちやシミを確認してから使う手順です。[W04]

試す場所は、履き口の内側やかかとの下など、外から見えにくく、かつニット・メッシュと同じ素材の部分にします。色が濃く残る、表面が硬く見える、べたつくといった変化があれば、全体へ広げません。変化がなくても、防水性能を数値で保証する共通の家庭用テストは、この記事で確認したメーカー資料にはありません。

汚れを落としてから、距離と乾燥時間を守る

施工前には、乾いたブラシか柔らかい布で砂やホコリを取り除きます。OAOは表面の汚れを落とした後、約20cm離して表面が湿る程度にムラなく噴霧し、20分以上乾燥させるよう案内しています。[W03] アサヒペンの靴用防水スプレーも、20〜25cm離し、全体が軽く濡れる程度に吹き付ける手順です。[W04]

必要以上に近づけて一か所へ液をためるより、製品が指定する距離を保ち、薄く均一にかけます。スプレーは風通しのよい屋外で使い、缶に書かれた換気・火気・乾燥時間の注意を守ってください。室内の玄関で急いで噴霧したり、濡れたまま履いたりすると、靴の表面だけでなく使用環境の注意も守れません。

ニット・メッシュ靴へ防水スプレーを使う前に、対象素材、靴の異素材、防水膜、目立たない部分の試し吹き、距離と乾燥時間を順に確認する図

雨水を止めたいなら、靴を替える判断も残す

メッシュは足の熱を逃がすための構造です。撥水スプレーが表面の水滴を弾いても、編み目や履き口から入る水まで止める設計には変わりません。靴下まで濡らしたくない通勤、雨天の長距離歩行、ぬかるみを通る予定では、施工直後の撥水だけを頼りにしないでください。

スプレーは、晴れの日を含む日常の汚れを付きにくくする手入れとして考えると、使いどころを誤りにくくなります。水の侵入を防ぐことを優先する日には、防水仕様のシューズ、レインシューズ、替えの靴下を用意するほうが現実的です。ニット・メッシュに防水スプレーを使うかという問いは、素材の可否だけでなく、その日に靴へ求める役目から決めてください。

出典