お手入れの前に:同じ素材でも製品によって適切な方法は異なります。製品の取扱表示がこの記事の内容より優先します。判断に迷う場合は安全にお手入れするためにをご確認ください。

長靴・レインブーツの白い粉は劣化? ブルーミング現象と保管条件の関係

長靴の表面に白い粉が浮いても、その靴が壊れたわけではありません。株式会社ムーンスターは、ゴム製長靴が使用中や保管中に白っぽくなるのは製造段階で添加した配合剤が表面へ滲み出たものであり、使用に影響はないと説明しています。[M01] 共和工業株式会社は、この「ブルーミング(ブルーム)」の正体を加硫剤・加硫促進剤・老化防止剤などの配合剤が経時的に表面へ噴き出たものだと述べ、機能上は問題にならない場合が多く、企業がこの現象をあえて活用することもあると書いています。[K01]

この記事があなたに示せるのは、白い粉が出た靴をそのまま履いてよいかを見分ける段階までです。シーズンオフの保管準備そのものはシーズンオフの保管準備、保管後にカビが発生した場合の対処は保管カビ対処を参照してください。取扱表示・素材表記の読み方は取扱表示・素材表記の読み方で説明しているため、ここでは繰り返しません。

同じ白い粉でも、いつ・どこで保管していたかで意味が変わります

レインブーツの白い粉について通常のブルーミングと保管条件による劣化の兆候を比較する図

購入直後から数か月おきに白い粉が出ているなら、それは配合剤が時間をかけて表面へ出てきた跡です。[K01] 分かれ道は保管場所のほうにあります。屋外の物置や車のトランクなど、高温多湿で密閉された場所へしまった後に急に白い粉が目立ちはじめた靴は、保管条件が関与した可能性を考えてください。共和工業株式会社は、初期にブルームしていなかった製品が後からブルームを示す原因として、加硫時間の不足・成形温度の低下・ゴム練り工程の不備・配合の不適切さと並べて「高温多湿での保管や密閉状態」を挙げています。[K01]

ただしこの説明はゴム製品一般の傾向として示されたもので、長靴専用の実測データではありません。長靴の保管に適した温度や湿度を長靴メーカー自身が数値で示しているかは、この記事が確認した2件の出典の範囲では見当たりませんでした。あなたの長靴がどちらに当たるかは、粉の見た目ではなく置き場所の記憶で切り分けることになります。

拭き取ってから、水性の艶出し剤で仕上げます

株式会社ムーンスターは、白い粉が出たゴム長靴の手入れとして次の順序を示しています。[M01]

  1. 白い粉を乾いた布で軽く拭き取ります。
  2. 靴売場のラバーブーツ用艶出し剤、またはホームセンターやカー用品売場のゴムタイヤ用の艶出しコーティング剤を塗ります。
  3. 乾いたタオルで拭き上げます。

艶出し剤は必ず水性を選んでください。株式会社ムーンスターは油性の製品を避けるよう明記しています。[M01] 靴底には塗らないでください。滑りやすくなります。[M01]

売場でどれを買うかまでは、この記事も出典も決められません。株式会社ムーンスターの案内が挙げているのは「ラバーブーツ用艶出し剤」「ゴムタイヤ用の艶出しに用いるコーティング剤」という一般名称までで、個別の製品名や成分の指定はないからです。[M01] 水性かどうかの表示を見て選んでください。

拭き上げても短期間で同じ場所へ白い粉が戻ることがあります。それ自体は異常ではありません。[K01]

白い粉が出ただけの靴を、捨てないでください

共和工業株式会社が書いているとおり、ブルーミングは多くの場合、機能に影響しない現象です。[K01] 白い粉を見つけたことだけを理由に劣化したと判断して処分しないでください。逆に、油性の艶出し剤やクリームで手早く済ませるのもやめてください。長靴メーカーである株式会社ムーンスターが水性の製品を使うよう明記しているためです。[M01] 靴底へ塗って転倒する危険を作らないでください。

高温多湿・密閉状態のまま様子を見続けることも避けてください。共和工業株式会社はこの条件を、ブルームが新たに生じる要因として挙げています。[K01]

生地にひびが入っている靴は、艶出し剤で様子を見ないでください

表面の白い粉とは別に、生地にひびが入っている・押しても元に戻らない・接着部が浮いているといった変化が出ている場合は、防水性や耐久性が損なわれている可能性があります。この段階まで来たら、艶出し剤で経過を見るのではなく、使用を控えて交換を検討してください。

ただし、この判断の線引きに一次資料の裏づけはありません。この記事が確認した2件の出典はいずれも白い粉の正体と対処を扱ったもので、ひび割れや弾力低下がゴムの経年劣化のどの段階に当たるのか、ブルーミングと同じように「正常範囲」と「交換の目安」を区別する基準は示されていません。上の目安は、確認できない以上は使い続けないという立場から書いたものであり、メーカーが定めた交換基準ではありません。

出典