お手入れの前に:同じ素材でも製品によって適切な方法は異なります。製品の取扱表示がこの記事の内容より優先します。判断に迷う場合は安全にお手入れするためにをご確認ください。

薬剤は必ず目立たない場所で試してから使い、製品自体の使用上の注意(換気・混ぜてはいけないもの)をご確認ください。

スプレー製品は必ず屋外またはよく換気した場所で使用してください。

靴用消臭・除菌グッズの種類別比較:効く対象と使えない素材

靴用の消臭・除菌グッズは、売場では似たような棚に並んでいます。けれど中で起きていることは同じではありません。湿気を吸うもの、におい成分を吸着するもの、菌そのものへ働くものが混ざっています。この記事は、小林製薬株式会社と白元アース株式会社が製品ページに書いている説明を、作用対象と使えない素材という二つの軸で並べ直したものです。

どれが要るかは、においの出どころで変わります。まだ発生源を切り分けていないなら、先に大人の靴のにおいの原因切り分けを読んでください。この記事があなたに示せるのは、切り分けが済んだあとで手に取る種類の見当までです。売場に並ぶどの商品を買うかまでは、この記事も出典も決められません。

乾燥剤が引き受けているのは、においより先に湿気です

白元アース株式会社の乾燥剤型の製品は、活性炭を配合して靴の中の湿気を吸います。吸湿が進むとビーズの色が変わり、それが交換のサインになります[P03]。天日干しで繰り返し使えるタイプもあります。塗ったりかけたりする製品ではないので、革でも布でも入れておけます。ただし色が変わったまま入れっぱなしにすると、吸湿も脱臭も止まった物を靴に入れているだけになります。

活性炭が吸着するのは、におい成分の一部です。菌を減らす製品ではありません。洗っても菌臭が抜けない靴に乾燥剤だけを足しても、狙いが半分ずれます。

インソール型は敷いたまま使い、約1か月で入れ替えます

小林製薬株式会社の銀と炭のインソール型製品は、銀複合系抗菌剤と、活性炭・ゼオライト系の消臭剤を組み合わせています。フォームラバー層が汗を吸い、菌の増殖とにおい成分の両方に向かう作りです[P01]。靴へ敷くだけなので、アッパーの素材に使ってよいかという問題は生じません。

使用上の注意は、小林製薬株式会社が同じ製品ページに挙げています。黒い面を下にすること、窮屈な靴では使わないこと、多汗症の場合は靴下や靴の黒ずみに注意すること、使用目安は約1か月であることの四点です[P01]。厚みがそのぶん増えるため、もともときつい靴に入れると足を圧迫します。

銀系抗菌剤がどういう仕組みで菌を抑えるのかは、この記事では製品ページの記述までしか確認していません。学術的な一次資料には当たっていないので、作用機序の説明としては読まないでください。

エタノール系スプレーは、天然皮革にはかけられません

小林製薬株式会社のスプレー型製品は、エタノールとアミノ酸系消臭剤等を配合しています。ミストが繊維の奥まで入り、においの元になる菌を除菌するという説明です[P02]。想定されているのは、合成皮革のスニーカーです。

ここは素材の可否がはっきり分かれます。小林製薬株式会社自身が「革を傷めることがあるので革にはスプレーしない」と明記しています[P02]。合成皮革のスニーカー向けの製品を、天然皮革の靴へ流用しないでください。革のパーツへ誤ってかかったときは、乾いた布ですぐに拭き取ります。

三つを同じ軸で並べると、重なる範囲は狭いままです

種類 主な作用対象 仕組み(メーカー説明) 天然皮革への使用 主な注意点
乾燥剤(活性炭配合の吸湿剤) 湿気そのもの、におい成分の一部 活性炭がにおい成分を吸着し、吸湿すると色が変わるサインビーズで交換時期を示す。天日干しで繰り返し使えるタイプがある[P03] メーカー説明に禁止記載なし(湿気を扱う製品のため素材を問わず併用しやすい) 交換サインを見落とすと吸湿・脱臭能力が落ちたまま使い続けることになる
活性炭・ゼオライト系インソール(銀系抗菌剤併用) 靴内部のにおい成分、菌の増殖 銀複合系抗菌剤と活性炭・ゼオライト系消臭剤を組み合わせ、フォームラバー層が汗を吸収する[P01] インソールとして敷くだけなので素材への直接の可否は生じない 黒い面を下にして使う、窮屈な靴では使わない、多汗症の場合は靴下・靴の黒ずみに注意、使用目安は約1か月[P01]
エタノール系除菌・消臭スプレー 繊維内部に残る菌そのもの ミストが繊維の奥まで浸透し、においの元になる菌を除菌する[P02] **天然皮革へは使用しない。**メーカー自身が「革を傷めることがあるので革にはスプレーしない」と明記している[P02] 合成皮革のスニーカー等を想定した製品であり、天然皮革の靴・パーツへ誤ってかかった場合は乾いた布で速やかに拭き取る

乾燥剤とスプレーは、別の問題を解いています。乾燥剤は湿気とその副産物のにおいへ、スプレーは菌へ向かいます。靴が乾ききっていないことが原因なら前者、洗っても菌臭が抜けないなら後者が近い位置にあります。原因が二つ重なっていることもあるので、片方で足りると決めてかからないでください。

活性炭やゼオライトの脱臭が、どれくらいの使用回数で、あるいは何か月で落ちるのかについては、メーカーをまたいで共通する基準をこの記事では見つけられておらず、交換の目安として使えるのは白元アース株式会社のサインビーズの色[P03]と、小林製薬株式会社のインソールの約1か月[P01]という、各社が自社製品に付けた数字だけです。

革靴とスニーカーでは、最初に手へ取るものが変わります

革靴やエナメル、合成皮革の靴では、エタノール系スプレーを外して乾燥剤から始めます。素材ごとの制約は取扱表示の読み方、合成皮革が寿命に近いかどうかは合皮の劣化限界で確かめられます。合成皮革のスニーカーは、エタノール系スプレーが対象として名指しされている数少ない組み合わせです[P02]。どの靴でも、メーカーが自社製品に付けた表示のほうが、この記事の整理より優先します。

効いたものを見分けたいなら、一度に一つだけ試します

避けたいことが三つあります。革にはスプレーしないと書かれている製品を、天然皮革の靴へ使うこと[P02]。乾燥剤の交換サインを見ないまま、効き目が落ちた状態で使い続けること。アルコール系スプレーと油性クリームのように、成分同士の相性を確かめないまま複数を同時に使うことです。最後の一つは、仮に改善しても何が効いたのか分からなくなる点でも損をします。

出典