お手入れの前に:同じ素材でも製品によって適切な方法は異なります。製品の取扱表示がこの記事の内容より優先します。判断に迷う場合は安全にお手入れするためにをご確認ください。

洗濯機・乾燥機の使用は、製品が「洗濯機洗い可」と表示している場合に限ってください。表示がない場合は手洗いか専門店をご検討ください。

靴を作った3社は、どこも洗濯機を勧めていない

洗えるかどうかを自分で判定する前に、作った側が何と言っているかを見ておくと、話の出発点が変わります。New Balanceは自社製品について洗濯機と乾燥機の使用を勧めておらず、代わりに低刺激・無着色の洗剤とブラシ、湿らせた布、そして自然乾燥という手入れを案内しています。[W01] Nikeも同じく、自社の靴を洗濯機へ入れることは勧めていません。[W03] 日本のニューバランスジャパンはもう一段踏み込んでいて、天然皮革と人工皮革は洗濯不可、織布であっても洗濯機は繊維を傷める場合があるとしており、素材によって不可と注意の線が引かれています。[W02]

3社がそろって勧めていない以上、洗濯機を使うことはメーカーの推奨に沿う選択ではありません。靴本体のタグ、箱、説明書、メーカーの商品ページに「洗濯機可」とあるかを探してください。見つからなければ、下の手洗いの手順へ進みます。

素材名は、洗ってよいかどうかまでは決めていない

公式表示、素材、破損状態からスニーカーの洗濯機使用可否と次の行動を判断する表

「キャンバスだから洗える」「合皮だから大丈夫」という言い方は、靴を素材名ひとつに縮めています。同じ素材名でも、接着、芯材、クッション、装飾、染料は製品ごとに違います。Nikeは綿・ナイロン・キャンバス・ポリエステルであれば一般に手洗いができるとしていますが、これは手洗いについての案内であって洗濯機の話ではなく、革とスエードには特に注意するようにと付け加えています。[W03]

そのため、見る順序は素材からではなく表示からになります。靴本体のタグ、箱、同梱の説明書、メーカーの商品ページを当たり、「洗濯機可」と明記されているときだけ、その条件に従ってください。「不可」「手洗い」、あるいはどこにも書かれていないときは、洗濯機を使いません。なお、素材名を入力すれば全メーカー横断で可否が決まるような共通基準は、今回確認したどの案内にも示されていませんでした。革やスエード、装飾の付いた靴を表示の確認なしで丸ごと水に沈めるのは、この順序を飛ばしていることになります。低温や弱水流を選べばどの靴でも大丈夫になる、という条件も同じく見当たりません。上の図も、個別製品の取扱表示を置き換えるものではありません。

表示が見つからないなら、水に沈めずに落とす

New Balance公式が案内しているのは丸洗いではなく、部分的に汚れを落とす手入れです。低刺激・無着色の洗剤を目立たない場所で試し、ブラシで洗い、湿らせた布で拭き取り、自然乾燥させる、という流れになっています。[W01] ここは順序に意味があるので、そのまま並べます。

  1. 靴ひもと、取り外せる中敷きを外す。
  2. 乾いた柔らかいブラシで砂や泥を落とす。
  3. 目立たない場所で、薄めた中性洗剤による色落ち・変色を確認する。
  4. ブラシや布へ少量を取り、強く浸さずに汚れを落とす。
  5. 洗剤分を湿らせた布で拭き取る。
  6. 形を整え、直射日光と熱源を避けて自然乾燥する。

漂白剤はこの順序に入っていません。素材を確かめないまま使う対象ではないからです。乾燥も同様に急がせない工程で、ニューバランスジャパンは織布の靴を日陰で自然乾燥させ、直射日光、ストーブ、ドライヤー、乾燥機を避けるよう案内しています。[W02] 最後を熱で片付けると、洗い方そのものが正しくても靴の側が変わってしまいます。

表示が見つからないスニーカーを、中敷きを外す工程から自然乾燥までの順番で手洗いする図

靴の表示が「可」でも、確認する相手はもう一つ残る

仮に靴の側に「洗濯機可」と書かれていたとしても、それで確認が終わるわけではありません。相手は靴だけではないからです。家庭用洗濯機の取扱説明書が靴の洗濯を許容しているかどうかは機種ごとに異なり、靴メーカー側の案内はそこまでは触れていません。靴の表示と洗濯機の説明書の両方が使ってよいと言っているときに、はじめて洗濯機が選択肢になります。

出典